SYD・VDB関数の使い方|級数法と倍率法の減価償却費・期間を決めて償却費を出す【実機で解説】

SYD・VDB関数の使い方|級数法と倍率法の減価償却費・期間を決めて償却費を出す【実機で解説】

SYD 関数は級数法(年数の合計で割って、はじめの年ほど多く償却する方法)の減価償却費を、VDB 関数は倍率法の償却費を、好きな期間で求める関数です。1 年目の級数法の償却費は =SYD(B2,B3,B4,1) で出ます。

この記事では、2 つの関数の書き方と、年ごとの償却費の出し方を、実際の Excel で確かめた結果で説明します。Excel の償却の関数は、日本の税法で決められた計算(償却率表・保証率など)とはちがうので、税務の計算には国税庁の資料を使ってください。

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取得価額・残存価額・耐用年数の表と、この記事の SYD・VDB の式をまとめた練習ファイルです。
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目次

SYD・VDB 関数の書き方

=SYD(取得価額, 残存価額, 耐用年数, 何年目)
=VDB(取得価額, 残存価額, 耐用年数, 開始, 終了, [倍率], [切り替えない])
引数意味
取得価額・残存価額・耐用年数買った金額・最後に残る金額・何年で償却するか
何年目SYD で償却費を知りたい年
開始・終了VDB で償却費を合計する期間(1 年目なら 0 と 1)
倍率(省略可)定額法の何倍の率で償却するか。省略すると 2
切り替えない(省略可)TRUE にすると、定額法のほうが多くなっても切り替えない。省略すると切り替える

5 年なら、SYD の 1 年目は (取得価額-残存価額)×5÷(1+2+3+4+5) です。

1. 級数法の年ごとの償却費(SYD)

D2:D6 に 1〜5 年目を入れ、I2 に式を入れて下へコピーします。

=SYD($B$2,$B$3,$B$4,D2)
エクセルのSYD関数で級数法の1年目から5年目までの減価償却費を求めた画面
エクセルのSYD関数で級数法の1年目から5年目までの減価償却費を求めた画面

1 年目は 300,000、5 年目は 60,000 でした。毎年同じ額ずつ減っていきます。

2. 1 年目の償却費(VDB)

VDB は「何年目」ではなく、開始と終了の期間で指定します。1 年目は 0 から 1 です。

=VDB(B2,B3,B4,0,1)
エクセルのVDB関数で倍率法の1年目の減価償却費を求めた画面
エクセルのVDB関数で倍率法の1年目の減価償却費を求めた画面

結果は 400,000 でした。定額法の 2 倍の率(5 年なら 40%)で償却します。

3. 年ごとの償却費(VDB)

開始を 年目-1、終了を 年目 にして下へコピーします。

=VDB($B$2,$B$3,$B$4,D2-1,D2)
エクセルのVDB関数で1年目から5年目までの倍率法の減価償却費を求めた画面
エクセルのVDB関数で1年目から5年目までの倍率法の減価償却費を求めた画面

1 年目は 400,000、4 年目は 86,400、5 年目は 29,600 でした。残存価額の 10 万円を下回らないように、最後の年は少なくなります。

4. 3〜5 年目をまとめて出す

開始 2・終了 5 にすると、3 年目から 5 年目の合計になります。

=VDB(B2,B3,B4,2,5)
エクセルのVDB関数で3年目から5年目までの減価償却費の合計を求めた画面
エクセルのVDB関数で3年目から5年目までの減価償却費の合計を求めた画面

結果は 260,000 でした。

【実機で検証】SYD でつまずくところ

エクセルのSYD関数とVDB関数の5年分の合計や6年目を入れたときの結果を確かめた画面
エクセルのSYD関数とVDB関数の5年分の合計や6年目を入れたときの結果を確かめた画面
ためしたこと式結果
SYD の 5 年分の合計=SUM(SYD(SYD!B2,SYD!B3,SYD!B4,{1,2,3,4,5}))900,000
VDB の 5 年分の合計(0〜5)=VDB(SYD!B2,SYD!B3,SYD!B4,0,5)900,000
DDB の 5 年分の合計=SUM(DDB(SYD!B2,SYD!B3,SYD!B4,{1,2,3,4,5}))900,000
残存価額 0・切り替える(5 年目)=VDB(SYD!B2,0,SYD!B4,4,5)108,000
残存価額 0・切り替えない(5 年目)=VDB(SYD!B2,0,SYD!B4,4,5,2,TRUE)51,840
SYD に 6 年目=SYD(SYD!B2,SYD!B3,SYD!B4,6)#NUM!
VDB の終了が耐用年数より大きい=VDB(SYD!B2,SYD!B3,SYD!B4,0,6)#NUM!

SYD の 5 年分の合計は 900,000、VDB の 0〜5 年は 900,000 で、どちらも 取得価額-残存価額 のちょうど 90 万円になりました。DDB の 5 年分の合計は 900,000 です。

残存価額を 0 にすると、5 年目は 108,000 でした。残りを定額法で償却したほうが多くなる年から、自動で定額法に切り替わります。切り替えない(7 つ目の引数を TRUE)と 51,840 で、少なくなりました。

SYD に 6 年目を入れると #NUM!、VDB の終了を 6 にすると #NUM! になりました。耐用年数をこえる期間は指定できません。

よくある質問

定額法で毎年同じ金額にしたいときは?

SLN 関数を使います。DDB・DB も同じ記事で説明しています。

年の途中で買ったときは?

VDB は開始と終了に小数も入れられます。半年分なら 0 と 0.5 のように指定します。

日本の税法の定率法で計算したいときは?

Excel の関数とは計算がちがうので、国税庁の償却率表の率を使って =帳簿価額*償却率 のように計算します。

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