エクセルで近似曲線を引く方法|式とR²の表示・伸ばす・式が合わないとき

エクセルで近似曲線を引く方法|式とR²の表示・伸ばす・式が合わないとき

エクセルで近似曲線を引くには、散布図などの点を右クリックして「近似曲線の追加」を選びます。右に開く「近似曲線の書式設定」で、直線・多項式などの種類、線を先へ伸ばす「前方補外」、グラフに式と R² を表示する設定ができます。

この記事では、広告費と売上の散布図を例に、近似曲線の引き方、式と R² の表示、線を伸ばして予測する方法、種類の選び方、そして「近似曲線の式で計算すると合わない」ときの原因と、式の値を関数(SLOPE・TREND・LINEST)でセルに出す方法まで、実際の Excel の画面で説明します。

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広告費と売上の散布図(近似曲線・式・R² 付き)と、傾き・切片・予測・LINEST の係数を関数で求めた表が入っています。
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目次

近似曲線とは

近似曲線は、グラフの点の並びにいちばんよく合う線です。「広告費が 1 万円増えると売上は約 3.5 万円増える」のような関係を、式で表せます。線を先へ伸ばせば、データの範囲の外の値(広告費 55 万円のときの売上など)も予測できます。

近似曲線の引き方

  1. 散布図の点を右クリックします。
  2. 「近似曲線の追加」を選びます。
エクセルの散布図の点を右クリックして近似曲線の追加を選ぶ画面
エクセルの散布図の点を右クリックして近似曲線の追加を選ぶ画面

点の並びに合う点線が引かれ、画面の右に「近似曲線の書式設定」が開きます。最初は「線形近似」(直線)です。

エクセルで近似曲線を追加すると開く近似曲線の書式設定と線形近似の線
エクセルで近似曲線を追加すると開く近似曲線の書式設定と線形近似の線

式と R² を表示する・線を伸ばす

  1. 「近似曲線の書式設定」の下にある「グラフに数式を表示する」と「グラフに R-2 乗値を表示する」にチェックを入れます。
  2. 線を先へ伸ばすときは、「予測」の「前方補外」に、伸ばしたい横軸の幅(ここでは 10)を入力します。
エクセルの近似曲線で前方補外を10にして数式とR2乗値を表示した画面
エクセルの近似曲線で前方補外を10にして数式とR2乗値を表示した画面

グラフに y = 3.4762x + 85.655 と R² = 0.9884 が表示され、線が広告費 45 から 55 まで伸びました(③)。式の 3.4762 は「広告費 1 万円あたり売上が約 3.48 万円増える」という傾き、85.655 は広告費 0 のときの切片です。R² は 1 に近いほど、線が点によく合っていることを表します。

左(過去)へ伸ばすときは「後方補外」を使います。

近似曲線の種類の選び方

種類向いているデータ
線形近似一定の割合で増える・減る(直線)。まずはこれ。
指数近似同じ「倍率」で増える(売上が毎月 1.2 倍など)。
対数近似最初は大きく伸び、だんだん伸びが小さくなる。
多項式近似山や谷がある曲線。次数で曲がり方を決める。
累乗近似x が何倍かになると y も決まった倍率で増える。
移動平均式は出さず、でこぼこをならした線を引く。
エクセルの近似曲線を多項式近似の次数2に切り替えた画面
エクセルの近似曲線を多項式近似の次数2に切り替えた画面

同じデータを「多項式近似」(次数 2)にすると、式は y = -0.0048x² + 3.7381x + 82.679 になりましたが、R² は 0.9885 で直線(0.9884)とほとんど同じでした(②)。R² がほぼ同じなら、式の簡単な線形近似を選びます。次数を上げるほど R² は上がりやすくなりますが、伸ばした先の予測が不自然になりやすいので注意します。

近似曲線の式の値を関数でセルに出す

近似曲線の傾きと切片は、SLOPE 関数と INTERCEPT 関数で求められます。予測値は TREND 関数(または FORECAST.LINEAR 関数)で、式を手で入力しなくても計算できます。

=TREND(B2:B9,A2:A9,55)
エクセルでSLOPEとINTERCEPTとTREND関数で近似曲線の傾き・切片・予測値を求めた表
エクセルでSLOPEとINTERCEPTとTREND関数で近似曲線の傾き・切片・予測値を求めた表

傾き 3.4762・切片 85.655 は、グラフの式と同じです(②)。広告費 55 万円の売上の予測は 276.8 万円で、式に代入した値と TREND 関数の結果が一致しました(③、TREND関数・SLOPE関数)。

近似曲線の式で計算すると合わないとき

グラフに表示される式は、係数が四捨五入して表示されています。その数字を書き写して計算すると、元の近似曲線と少しずれます。

=LINEST(B2:B9,A2:A9^{1,2})
エクセルのLINEST関数で2次の近似曲線の正確な係数を求め表示された係数と比べた表
エクセルのLINEST関数で2次の近似曲線の正確な係数を求め表示された係数と比べた表

2 次式の場合、グラフに表示された -0.0048・3.7381・82.679 で広告費 55 万円を計算すると 273.75 でしたが、LINEST で求めた正確な係数(-0.004762…)では 273.87 になりました(③)。正確に計算したいときは、表示された式を書き写さず、LINEST や TREND で求めた値を使います(LINEST関数)。

近似曲線がうまくいかないときの確認表

症状考えられる原因対処
「近似曲線の追加」が出ない点ではなくグラフの余白を右クリックしたグラフの点そのものを右クリックする。
式の値で計算すると合わない表示された係数は四捨五入されているLINEST・TREND・SLOPE で求めた値を使う。
線が伸びない前方補外が 0 のまま「前方補外」に伸ばしたい幅を入れる。

よくある質問

R² はいくつなら信用できる?

決まった基準はありませんが、0.7 以上なら関係が強い目安とされることが多いです。今回の 0.9884 は、点が直線にとてもよく合っている状態です(RSQ関数)。

近似曲線を消すには?

近似曲線(点線)をクリックして選び、Delete キーを押します。

近似曲線を使わずに予測だけしたいときは?

FORECAST.LINEAR 関数や TREND 関数で、グラフを作らずにセルで予測できます(FORECAST.LINEAR関数)。

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