「複数のセルに入力された名前を1つのセルにまとめたい」「住所の都道府県、市区町村、番地を結合したい」
Excel作業で、このようにバラバラのセルに入力された文字列を結合したい場面は頻繁にありますよね。
この作業、実はたった数秒で完了できる簡単なテクニックがあるんです。
この記事では、Excelで文字列を結合するための代表的な4つの方法を、初心者の方にも分かりやすく、具体的なサンプル付きで徹底解説します。それぞれの方法のメリット・デメリットを理解し、あなたの作業内容に最適な方法を見つけて、日々の業務効率を劇的にアップさせましょう!
まずはコレ!最も手軽な「&(アンパサンド)」を使う方法
&
(アンパサンド)は、関数を覚える必要がなく、最も直感的で手軽に文字列を結合できる方法です。2つや3つ程度の少数のセルを結合する場合に特に便利です。
基本的な使い方
結合したいセルを&
でつなぐだけです。
サンプル: A列の「姓」とB列の「名」を結合して、C列に「氏名」を表示します。
行/列 | A | B | C |
1 | 姓 | 名 | 氏名 |
2 | 山田 | 太郎 | =A2&B2 |
3 | 鈴木 | 花子 | =A3&B3 |
C2セルの結果:
山田太郎
間にスペースや記号を入れる
&
の間に、結合したい文字や記号を""
(ダブルクォーテーション)で囲んで追加します。
サンプル: 姓と名の間に半角スペースを入れる場合。
行/列 | A | B | C |
1 | 姓 | 名 | 氏名 |
2 | 山田 | 太郎 | =A2&" "&B2 |
3 | 鈴木 | 花子 | =A3&" "&B3 |
C2セルの結果:
山田 太郎
メリット | デメリット |
✅ 関数を覚える必要がなく、とにかく手軽 | ❌ 結合するセルが多くなると数式が長くなり、管理が大変 |
複数の文字列をまとめて結合「CONCAT関数」
CONCAT
(コンキャット)関数は、複数のセルや文字列を引数として指定し、それらを順番に結合します。Excel 2019、Microsoft 365、Excel for the webで利用できる比較的新しい関数です。
※ Excel 2016以前のバージョンでは、後述するCONCATENATE
関数を使用します。機能はほぼ同じです。
基本的な使い方
=CONCAT(文字列1, 文字列2, ...)
のように、結合したいセルや文字列をカンマで区切って指定します。
サンプル: A列の「姓」、B列の「名」、C列の「敬称」を結合します。
行/列 | A | B | C | D |
1 | 姓 | 名 | 敬称 | 宛名 |
2 | 山田 | 太郎 | 様 | =CONCAT(A2, B2, C2) |
3 | 鈴木 | 花子 | 様 | =CONCAT(A3, B3, C3) |
D2セルの結果:
山田太郎様
&と同様に、間に文字を入れることも可能です。
=CONCAT(A2, ” “, B2, C2) → 山田 太郎様
メリット | デメリット |
✅ A2:C2 のようにセル範囲で指定できる | ❌ 間に区切り文字を入れる場合、一つずつ指定する必要がある |
✅ 数式が& よりもスッキリする |
区切り文字も一括指定!最強の「TEXTJOIN関数」
TEXTJOIN
(テキストジョイン)関数は、文字列結合において最も高機能で便利な関数です。指定した区切り文字を、結合する文字列の間に自動で挿入してくれます。大量のセルを特定のルールで結合したい場合に絶大な効果を発揮します。(Excel 2019、Microsoft 365、Excel for the webで利用可能)
基本的な使い方
=TEXTJOIN(区切り記号, 空のセルを無視, 文字列1, 文字列2, ...)
という書式で使います。
- 区切り記号: 結合する文字列の間に入れたい文字(例:
"-"
,","
," "
など)を指定します。 - 空のセルを無視:
TRUE
を指定すると、範囲内に空のセルがあっても無視して結合します。FALSE
にすると、空のセルも区切り文字で結合されます。通常はTRUE
が便利です。
サンプル: C列の都道府県からF列の番地までを、間に何も入れずに結合します。途中に空欄のセル(E2)があっても問題ありません。
行/列 | C | D | E | F | G |
1 | 都道府県 | 市区町村 | ビル名 | 番地 | 住所 |
2 | 東京都 | 千代田区 | 1-1-1 | =TEXTJOIN("", TRUE, C2:F2) | |
3 | 大阪府 | 大阪市北区 | ABCビル | 2-2-2 | =TEXTJOIN("", TRUE, C3:F3) |
G2セルの結果:
東京都千代田区1-1-1
※空のセルE2が無視されていることがわかります。
サンプル(応用): 各項目を「/」(スラッシュ)で区切って結合する。
G2セルの数式:
=TEXTJOIN(“/”, TRUE, C2:F2)
G2セルの結果:
東京都/千代田区/1-1-1
メリット | デメリット |
✅ 区切り文字を一括で指定でき、非常に効率的 | ❌ Excel 2016以前のバージョンでは使えない |
✅ 空のセルを自動で無視する機能が便利 | |
✅ 大量のセル範囲の結合に最適 |
【互換用】CONCATENATE関数
CONCATENATE
(コンカティネイト)関数は、旧バージョンのExcelで使われていた文字列結合関数です。現在のExcelでも互換性のために残されていますが、基本的には前述のCONCAT
関数の利用が推奨されています。
機能はCONCAT
関数とほぼ同じですが、セル範囲(例: A2:C2
)を指定できないという違いがあります。
使い方: =CONCATENATE(A2, B2, C2)
のように、セルを一つずつ指定します。
サンプルデータダウンロード 📁
この記事で解説した内容を、実際にあなたのExcelで試してみませんか? 以下のリンクから、解説に使用したサンプルデータをダウンロードできます。数式がすでに入力されているので、書き換えたり、ご自身のデータに応用したりして、理解を深めてみてください。
※ CONCAT
関数およびTEXTJOIN
関数は、Excel 2019、Microsoft 365以外のバージョンでは#NAME?
エラーが表示される場合があります。
まとめ:目的別おすすめの使い分け
どの方法を使えばよいか迷ったら、以下の基準で選ぶのがおすすめです。
- 2〜3個のセルを手早く結合したい
- 👉 &(アンパサンド)
- たくさんのセルをシンプルに結合したい(Excel 2019以降)
- 👉 CONCAT関数
- 区切り文字を入れて、大量のセルをきれいに結合したい(Excel 2019以降)
- 👉 TEXTJOIN関数
- 古いバージョンのExcelで作業する必要がある
- 👉 CONCATENATE関数
Excelの文字列結合は、一度覚えてしまえば様々な場面で応用できる非常に便利な機能です。ぜひこの記事を参考に、あなたのExcelスキルを一段階アップさせてください!
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