はじめに
Excelで表形式のデータから横方向に値を検索する場合、従来のHLOOKUP関数がよく使われていました。しかし、XLOOKUP関数は縦方向だけでなく横方向の検索も行え、HLOOKUPよりも多くの利点を持っています。この記事では、XLOOKUP関数を使った横方向検索に焦点を当て、その利点や具体的な使用方法を解説します。
XLOOKUP関数とは？（復習）
XLOOKUP関数は、指定された範囲または配列で値を検索し、最初に見つかった一致に対応する項目を返す関数です。
基本的な構文（復習）
Excel
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲, [見つからない場合], [一致モード], [検索モード])
各引数の意味は以下の通りです。
- 検索値（必須）: 検索する値を指定します。
- 検索範囲（必須）: 検索を行う範囲を指定します。
- 戻り範囲（必須）: 結果として返す値が含まれる範囲を指定します。
- 見つからない場合（省略可能）: 検索値が見つからない場合に返す値を指定します。
- 一致モード（省略可能）:
- 0（既定値）：完全一致。
- -1：完全一致。見つからない場合は、次に小さい項目を返します。
- 1：完全一致。見つからない場合は、次に大きい項目を返します。
- 2：ワイルドカード文字（
*、?、~）を使用した部分一致。
- 検索モード（省略可能）:
- 1（既定値）：先頭から末尾へ検索。
- -1：末尾から先頭へ検索。
- 2：昇順で並べ替えられた範囲を使用したバイナリ検索。
- -2：降順で並べ替えられた範囲を使用したバイナリ検索。
＜Excelサンプルデータダウンロード＞
Excel XLOOKUP関数：横方向のデータ検索も自由自在！HLOOKUPを超える柔軟性
XLOOKUP関数による横方向検索
XLOOKUP関数は、検索範囲に1行を指定することで、横方向の検索を行うことができます。画像例を基に解説します。
画像例の解説
画像では、売上額推移表（B2:F7）から、指定された年の売上額合計を検索しています。セルB11に入力されている数式は以下の通りです。
Excel
=XLOOKUP(B10,B2:F2,B7:F7,"該当なし")
この数式を分解して解説します。
B10: 検索値（年）が入力されています。例では「2018年」です。B2:F2: 検索範囲として、年の行見出し（1行）を指定しています。これが横方向検索のポイントです。B7:F7: 戻り範囲（売上額合計の行）を指定しています。"該当なし": 見つからない場合の値を指定しています。
数式の動作
- 検索値
B10（例：「2020年」）が、検索範囲B2:F2内で検索されます。 - 一致するセル（E2）が見つかると、同じ列の
戻り範囲（B7:F7）から対応する値（E7の11,723）が返されます。
Excelのサンプルデータ【ダウンロード】
以下は、上記画像のExcelデータですので、ダウンロードして練習などに使用してください。
Excel-g719-1.xlsx （ダウンロード）
XLOOKUPとHLOOKUPの比較
XLOOKUPはHLOOKUPと比較して、以下のような利点があります。
| 特徴 | XLOOKUP | HLOOKUP |
|---|---|---|
| 柔軟性 | 検索方向、一致モードなどを自由に指定可能 | 検索方向は横方向のみ、一致モードは限定的 |
| 戻り範囲 | 検索範囲と隣接している必要なし | 検索範囲の下にある必要あり |
| エラー処理 | 見つからない場合引数で簡単指定 | IFERROR関数との組み合わせが必要 |
特に、戻り範囲が検索範囲と隣接している必要がない点は、XLOOKUPの大きな利点です。HLOOKUPでは、戻り範囲は必ず検索範囲の下にある必要がありましたが、XLOOKUPではそのような制約はありません。
まとめ
XLOOKUP関数は、横方向のデータ検索も簡単に行うことができます。HLOOKUPと比較してより柔軟で使いやすく、特に戻り範囲の配置に制約がない点が大きな利点です。横方向の検索を行う場合も、XLOOKUPの利用を強くお勧めします。
この解説で、XLOOKUP関数を使った横方向検索についてより深く理解できたかと思います。この情報を活用し、Excelでのデータ分析をより効率的に行いましょう。
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