g718|Excel XLOOKUP関数:データ追加に完全対応!列全体指定とテーブルで参照範囲を自動拡張

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はじめに

Excelでデータを管理する際、データが頻繁に追加されることはよくあります。従来のVLOOKUP関数では、参照範囲を固定で指定していたため、データ追加のたびに数式を修正する必要がありました。しかし、XLOOKUP関数では、列全体指定やテーブル機能と組み合わせることで、データ追加に自動的に対応する数式を作成できます。この記事では、XLOOKUP関数とこれらの機能を組み合わせたデータ追加への対応について、詳しく解説します。

XLOOKUP関数とは?(復習)

XLOOKUP関数は、指定された範囲または配列で値を検索し、最初に見つかった一致に対応する項目を返す関数です。

基本的な構文(復習)

Excel

=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲, [見つからない場合], [一致モード], [検索モード])

各引数の意味は以下の通りです。

  • 検索値(必須): 検索する値を指定します。
  • 検索範囲(必須): 検索を行う範囲を指定します。
  • 戻り範囲(必須): 結果として返す値が含まれる範囲を指定します。
  • 見つからない場合(省略可能): 検索値が見つからない場合に返す値を指定します。
  • 一致モード(省略可能):
    • 0(既定値):完全一致。
    • -1:完全一致。見つからない場合は、次に小さい項目を返します。
    • 1:完全一致。見つからない場合は、次に大きい項目を返します。
    • 2:ワイルドカード文字(*?~)を使用した部分一致。
  • 検索モード(省略可能):
    • 1(既定値):先頭から末尾へ検索。
    • -1:末尾から先頭へ検索。
    • 2:昇順で並べ替えられた範囲を使用したバイナリ検索。
    • -2:降順で並べ替えられた範囲を使用したバイナリ検索。

<Excelサンプルデータダウンロード>
Excel XLOOKUP関数:データ追加に完全対応!列全体指定とテーブルで参照範囲を自動拡張

1. 列全体指定(例:A:A)による自動拡張

XLOOKUP関数の検索範囲戻り範囲に列全体を指定することで、その列に追加されたデータも自動的に検索対象に含まれるようになります。画像例を基に解説します。

画像例の解説

画像では、発注検索を行っており、セルG3に入力されている数式は以下の通りです。

Excel

=XLOOKUP(G2,A:A,C:C,"該当なし")

この数式を分解して解説します。

  1. G2: 検索値(発注番号)が入力されています。
  2. A:A: 検索範囲としてA列全体を指定しています。
  3. C:C: 戻り範囲としてC列全体を指定しています。
  4. "該当なし": 見つからない場合の値を指定しています。

数式の動作とメリット

この数式では、A列とC列全体を参照しているため、発注履歴表に新しい行が追加され、発注番号と発注者が入力された場合、その追加されたデータも自動的にXLOOKUPの検索対象に含まれます。これにより、データ追加のたびに数式を修正する必要がなくなります。

注意点: 列全体を指定する場合、検索対象の列に余計なデータ(例えば、表の下に合計行など)が含まれていると、意図しない結果になる可能性があります。検索対象の列は、検索対象のデータのみを含むように管理することが重要です。

Excelのサンプルデータ【ダウンロード】

以下は、上記画像のExcelデータですので、ダウンロードして練習などに使用してください。

Excel-g718-1.xlsx (ダウンロード)

2. テーブル機能と構造化参照による自動拡張

より高度な方法として、Excelのテーブル機能と構造化参照を組み合わせる方法があります。テーブルに変換された範囲は、データが追加されると自動的に拡張されるため、XLOOKUPの数式を変更する必要がなくなります。

テーブルへの変換方法

  1. データ範囲を選択します。
  2. 「挿入」タブの「テーブル」をクリックします。
  3. 「テーブルの作成」ダイアログボックスで、範囲と先頭行をテーブルの見出しとして使用するかどうかを確認し、「OK」をクリックします。

構造化参照の使用

テーブルに変換後、XLOOKUPの数式でテーブル名と列名を指定することで、構造化参照を使用できます。画像の「Memo」に記載されている例を見てみましょう。

Excel

=XLOOKUP(G2,テーブル1[受注番号],テーブル1[客名],"該当なし")

この数式では、

  • テーブル1[受注番号]: テーブル「テーブル1」の「受注番号」列を参照しています。
  • テーブル1[客名]: テーブル「テーブル1」の「客名」列を参照しています。

このように構造化参照を使用することで、テーブルにデータが追加されると、XLOOKUPの参照範囲も自動的に拡張されます。

テーブルのメリット

  • 自動拡張: データ追加時に参照範囲が自動的に拡張されます。
  • 可読性の向上: テーブル名と列名で参照するため、数式の意味が理解しやすくなります。
  • 書式設定の維持: テーブルには自動的に書式が適用され、データの見やすさが向上します。

まとめ

XLOOKUP関数でデータ追加に柔軟に対応するためには、

  • 列全体指定: 簡単な方法ですが、余計なデータが含まれないように注意が必要です。
  • テーブルと構造化参照: より高度で推奨される方法です。可読性も高く、データ管理が容易になります。

データが頻繁に追加される表でXLOOKUPを使用する場合は、これらの方法をぜひ活用してみてください。

この解説で、XLOOKUP関数におけるデータ追加への対応について、より深く理解できたかと思います。この情報を活用し、Excelでのデータ分析をより効率的に行いましょう。

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