目次
はじめに
Excelで表形式のデータから特定の値を検索する際、VLOOKUP関数と並んでよく使われるのがHLOOKUP関数です。VLOOKUP関数が縦方向の検索を行うのに対し、HLOOKUP関数は横方向の検索を行います。この記事では、HLOOKUP関数の基本的な使い方から応用までを、画像例を交えて詳しく解説します。
HLOOKUP関数とは?
HLOOKUP関数は、「Horizontal Lookup(水平検索)」の略で、表の最上段の行で特定の値を検索し、同じ列の指定した行から値を返す関数です。
基本的な構文
Excel
=HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, [検索の型])
各引数の意味は以下の通りです。
- 検索値(必須): 検索する値を指定します。画像例では、セルB10の「2020年」が検索値です。
- 範囲(必須): 検索対象となるセル範囲を指定します。画像例では、B2:F7の「売上数推移」の表全体が範囲です。
- 行番号(必須): 返す値がある行の番号を指定します。「範囲」の最上段の行を1として、下に行くにつれて2、3と増えていきます。画像例では「6」が指定されており、最下段の「合計」行の値が返されます。
- 検索の型(省略可能):
- TRUE(または1):近似一致。検索値が見つからない場合、検索値以下の最大の値が使用されます。「範囲」の最上段の行は昇順に並べ替えられている必要があります。
- FALSE(または0):完全一致。検索値と完全に一致する値のみが返されます。通常はFALSE(0)を使用します。画像例では「FALSE」が指定されています。
<Excelサンプルデータダウンロード>
Excel HLOOKUP関数:横方向のデータ検索をマスター!表引きを効率化
画像例の具体的な解説
画像例では、セルB11に以下の数式が入力されています。
Excel
=HLOOKUP(B10,B2:F7,6,FALSE)
この数式は、以下の処理を行っています。
- セルB10に入力されている「2018年」を検索値として使用します。
- B2:F7の範囲(売上数推移表)を検索範囲として検索を行います。
- 最上段の行(2行目)から「2018年」を探します。
- 「2018年」が見つかった列(E列)の6行目(Excelの7行目)の値、つまり合計値「12,893」を返します。
- 完全一致で検索を行います。
画像では、「2018年」の合計値「12,893」が正しく表示されていることが確認できます。
Excelのサンプルデータダウンロード
以下は、上記画像のExcelデータですので、ダウンロードして練習などに使用してください。
Excel-g712-1.xlsx (ダウンロード)
HLOOKUP関数の活用例
- 商品名から価格を検索(商品名が横方向に並んでいる場合)
- 日付から売上データを検索(日付が横方向に並んでいる場合)
- 支店名から支店情報を検索(支店名が横方向に並んでいる場合)
HLOOKUP関数の注意点
- 並べ替え: 近似一致検索(
検索の型
にTRUE
または1
を指定)を使用する場合、「範囲」の最上段の行は必ず昇順に並べ替えてください。並べ替えられていない場合、正しい結果が得られません。 - 検索値が見つからない場合: 完全一致検索(
検索の型
にFALSE
または0
を指定)で検索値が見つからない場合、#N/A
エラーが返されます。 - 大文字・小文字の区別: 英字の大文字と小文字は区別されません。
VLOOKUP関数とHLOOKUP関数の使い分け
特徴 | VLOOKUP関数 | HLOOKUP関数 |
---|---|---|
検索方向 | 縦方向(列) | 横方向(行) |
検索対象 | 範囲の左端の列 | 範囲の最上段の行 |
主な用途 | 縦にデータが並んだ表の検索 | 横にデータが並んだ表の検索 |
まとめ
HLOOKUP関数は、VLOOKUP関数と対になる関数で、横方向のデータ検索に非常に役立ちます。特に、表の最上段の行に検索したい値が並んでいる場合に有効です。VLOOKUP関数とHLOOKUP関数を適切に使い分けることで、Excelでのデータ検索作業を効率化できます。
この解説で、HLOOKUP関数についてより深く理解できたかと思います。この情報を活用し、Excelでのデータ分析をより効率的に行いましょう。
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