ExcelのSTDEV.P関数とSTDEVP関数は、データセット全体の標準偏差を計算するために使用されます。これらの関数は、母集団全体に対して統計分析を行う場合に非常に便利です。この記事では、これらの関数の使い方や引数の説明、実際の使用例を詳しく解説します。
目次
関数の説明
STDEV.P関数とSTDEVP関数とは?
STDEV.P関数とSTDEVP関数は、どちらもデータセット全体(母集団)に対する標準偏差を計算するために使用されます。Excel 2010以降では、STDEVP関数はSTDEV.P関数に統合されていますが、両方の関数が提供されているため、どちらを使用しても同じ結果が得られます。
関数
対応バージョン
- STDEV.P関数: Excel 2010以降
- STDEVP関数: Excel 2007およびそれ以前のバージョン
構文
=STDEV.P(number1, [number2], ...)
または
=STDEVP(number1, [number2], ...)
引数
引数 | 説明 |
---|---|
number1 | 必須。標準偏差を計算する最初の数値、参照、名前付き範囲。 |
[number2] | 省略可能。標準偏差を計算する追加の数値、参照、名前付き範囲。最大254引数まで指定可能。 |
関数作成のポイント
- STDEV.P関数とSTDEVP関数は、母集団全体を対象とした標準偏差の計算に使用されます。母集団の一部だけを使った標準偏差の計算には、STDEV.S関数またはSTDEV関数を使用してください。
- STDEVP関数はExcel 2007以前のバージョンで使用されていましたが、Excel 2010以降ではSTDEV.P関数に置き換えられています。新しいバージョンのExcelを使用している場合は、STDEV.P関数を使用することを推奨します。
関数活用のポイント
- 母集団全体のデータを分析する際に、標準偏差を計算するために使用します。例えば、全社員の給与データや全製品の販売データなど、母集団全体に関する統計分析に適しています。
- データのばらつきを理解するための重要な指標として、STDEV.P関数はよく使われます。
使用例
サンプルデータ
A | B |
---|---|
データ | 値 |
1 | 10 |
2 | 20 |
3 | 30 |
4 | 40 |
5 | 50 |
6 | 60 |
7 | 70 |
8 | 80 |
9 | 90 |
10 | 100 |
サンプル式
=STDEV.P(B2:B11)
この式は、B2からB11の範囲内のデータの標準偏差を計算します。
(例題)サンプルデータダウンロード
サンプルデータをダウンロードすることができます。以下のリンクからダウンロードしてください。
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まとめ
STDEV.P関数とSTDEVP関数は、データセット全体の標準偏差を計算するための強力なツールです。母集団全体のばらつきを理解するためには、これらの関数を正しく使用することが重要です。Excel 2010以降では、STDEV.P関数を使用することが推奨されますが、STDEVP関数も引き続き利用可能です。
関連のある関数
関数 | 説明 |
---|---|
STDEV.S | データセットのサンプルの標準偏差を計算します。 |
VAR.P | データセット全体の分散を計算します。 |
AVERAGE | データセットの平均を計算します。 |
STDEVA | データセットに含まれるテキストやTRUE/FALSEを考慮した標準偏差を計算します。 |
このブログでは、ExcelのSTDEV.P関数とSTDEVP関数の基本的な使い方と活用法について解説しました。データセット全体のばらつきを理解し、適切に標準偏差を計算するために、これらの関数を活用しましょう。
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