エクセルで、データのばらつき(分散)を、そのデータ全体を母集団として求めるには VAR.P関数を使います。10人の点数なら、=VAR.P(C3:C12) で 90 になります。
分散は「平均からどれくらい離れているか」を1つの数で表したもので、大きいほど点数がばらばらです。この記事では、VAR.P関数の基本、分散の計算のしくみ、VAR.S関数との違い、組ごとの分散、標準偏差との関係までを、1つの表で説明します。下の練習ツールで、点数を書き換えて結果の変わり方を試せます。
まず動かしてみよう|この記事のサンプルをその場で試せます
練習用ファイルをダウンロードしなくても、記事と同じデータ・同じセル番地のサンプルをここで動かせます。黄色いセルを書き換えると、結果がその場で変わります。各解説の最後にある「▶ この式を試す」を押すと、このツールの該当セルへ移動します。
VAR.P関数の書き方
範囲やセル、数値を指定します。範囲の中の空欄・文字・TRUE/FALSE は無視されます。Excel 2007 以前からある VARP関数 も同じ結果です。
VAR.P関数の使い方|やりたいこと別の式
| やりたいこと | 式(例) | 結果 |
|---|---|---|
| 分散(母集団) | =VAR.P(C3:C12) | 90 |
| 古い書き方 | =VARP(C3:C12) | 90 |
| 分散(標本) | =VAR.S(C3:C12) | 100 |
| 偏差の2乗和÷人数 | =DEVSQ(C3:C12)/COUNT(C3:C12) | 90 |
| A組の分散 | =VAR.P(FILTER(C3:C12,B3:B12=”A”)) | 34 |
| B組の分散 | =VAR.P(FILTER(C3:C12,B3:B12=”B”)) | 74 |
| 分散の平方根 | =ROUND(SQRT(VAR.P(C3:C12)),2) | 9.49 |

分散(母集団)を求める
結果は 90 です。古い書き方の =VARP(C3:C12) も 90 になりました。
▶ この式(F3)を、上の練習ツールで試す / この式(F4)を、上の練習ツールで試す
分散の計算のしくみ
10人の平均は =AVERAGE(C3:C12) で 70 です。それぞれの点数から平均を引き(偏差)、2乗して合計し、人数で割ったものが VAR.P関数の分散です。
| 名前 | 点数 | 平均との差 | 差の2乗 |
|---|---|---|---|
| 山田 | 70 | 0 | 0 |
| 佐藤 | 85 | 15 | 225 |
| 鈴木 | 60 | −10 | 100 |
| 高橋 | 75 | 5 | 25 |
| 田中 | 55 | −15 | 225 |
| 伊藤 | 80 | 10 | 100 |
| 渡辺 | 65 | −5 | 25 |
| 中村 | 70 | 0 | 0 |
| 小林 | 80 | 10 | 100 |
| 加藤 | 60 | −10 | 100 |
| 合計 | 900 |
差の2乗の合計 900 を人数の 10 で割ると 90 で、VAR.P関数と同じです。差の2乗の合計は DEVSQ関数で出せます(DEVSQ関数の使い方)。
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VAR.S関数との違い(人数で割るか、人数−1で割るか)
VAR.S関数は 900 を「人数−1」の 9 で割るので 100 です。どちらを使うかは、データの見方で決めます。
| 関数 | 割る数 | この表の結果 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| VAR.P | 人数(10) | 90 | クラス全員・全商品など、データ全体のばらつきを見るとき |
| VAR.S | 人数−1(9) | 100 | 一部を取り出したデータ(アンケートの回答者など)から、全体のばらつきを見積もるとき |
迷ったときは「手元のデータがすべてなら VAR.P、一部なら VAR.S」と覚えます(VAR.S関数の使い方)。
組ごとの分散を比べる(FILTER)
A組(70・85・75・80・70)の分散は 34、B組(60・55・65・80・60)は 74 です。B組のほうが点数のばらつきが大きいと分かります。FILTER関数は Excel 2021 以降・Microsoft 365 で使えます(FILTER関数の使い方)。
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分散の平方根が標準偏差
分散は点数を2乗しているので、単位が「点の2乗」になり、そのままでは大きさが分かりにくい数です。平方根をとると 9.49 で、=ROUND(STDEV.P(C3:C12),2) の標準偏差 9.49 と同じになります(STDEV.P関数の使い方)。
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VAR.P関数がうまくいかないときの確認表
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 思った値にならない | 「欠席」などの文字や空欄が除かれている | COUNT関数で数値の個数を確かめる。文字を 0 として数えるなら VARPA関数。 |
| ほかのソフトと値が違う | ほかのソフトは標本の分散(÷人数−1)を使っている | VAR.S関数の結果と比べる。 |
| 「#DIV/0!」になる | 範囲に数値が1つもない | 数値を入れる。IFERROR関数で表示を決める。 |
| 0 になる | すべて同じ値 | ばらつきが無いので 0 が正しい。 |
VAR.P関数のよくある質問
VARP関数と VAR.P関数はどちらを使う?
結果は同じです。VARP関数は古いバージョンとの互換用なので、新しく作る表では VAR.P関数を使います。
文字や TRUE/FALSE も数に入れたいときは?
VARPA関数を使うと、文字は 0、TRUE は 1 として計算します(VARPA関数の使い方)。
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