470|Excel POISSON.DIST/POISSON関数:ポアソン分布に基づく特定の期間に事象が発生する確率を計算

目次

はじめに

Excelには様々な統計関数が用意されていますが、POISSON.DIST関数(および以前のPOISSON関数)は、ポアソン分布に基づいて確率を計算する際に役立ちます。ポアソン分布は、一定の時間または空間内でランダムに発生する事象の回数を表す確率分布です。例えば、一定時間内の電話の着信回数、1平方メートルあたりの植物の数、製品の欠陥数などをモデル化するのに使用されます。この記事では、POISSON.DIST関数の基本的な使い方から、画像にある例のような応用までを詳しく解説します。

ポアソン分布とは?

ポアソン分布は、以下の条件を満たす場合に適しています。

  • 事象はランダムに発生する。
  • 事象の発生は独立している(ある事象の発生が他の事象の発生に影響を与えない)。
  • 平均発生率は一定である。

POISSON.DIST関数とは?

POISSON.DIST関数は、ポアソン分布に基づいて確率を計算します。以前のExcelバージョンではPOISSON関数が使用されていましたが、現在はPOISSON.DISTが推奨されています。

基本的な構文

Excel

=POISSON.DIST(x, 平均, 関数形式)

各引数の意味は以下の通りです。

  • x(必須): 事象の発生回数を指定します。
  • 平均(必須): 事象の平均発生回数を指定します。
  • 関数形式(必須): 計算に使用する関数の形式を論理値で指定します。
    • TRUE:累積分布関数(指定された回数以下の発生回数となる確率)
    • FALSE:確率質量関数(指定された回数の発生回数となる確率)

画像例の解説

画像では、以下の設定でPOISSON.DIST関数を使用しています。

  • 事象の平均(平均不良品数): セルA4に2が入力されています。これは、平均して2個の不良品が発生することを意味します。
  • 事象の数(実際の不良品数): セルB4に3が入力されています。これは、実際に3個の不良品が発生した場合の確率を求めたいことを意味します。
  • 数式: セルC4には以下の数式が入力されています。

Excel

=POISSON.DIST(B4,A4,FALSE)

この数式を分解して解説します。

  1. B4: 事象の数(3)を指定しています。
  2. A4: 平均(2)を指定しています。
  3. FALSE: 確率質量関数を使用することを指定しています。つまり、ちょうど3個の不良品が発生する確率を計算します。

数式の動作

この数式は、「平均して2個の不良品が発生する状況で、実際に3個の不良品が発生する確率」を計算します。結果として、セルC4には0.1804(18.04%)と表示されています。

Excelサンプルデータのダウンロード

上記画像のエクセルサンプルデータを以下のリンクからダウンロードしてください。

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例:電話の着信

例えば、コールセンターに1時間あたり平均5件の電話がかかってくるとします。このとき、1時間にちょうど3件の電話がかかってくる確率は、=POISSON.DIST(3,5,FALSE) で計算できます。

関数形式の使い分け

  • TRUE(累積分布関数): 例えば、=POISSON.DIST(3, 5, TRUE) は、「1時間に3件以下(0件、1件、2件、3件)の電話がかかってくる確率」を計算します。
  • FALSE(確率質量関数): 例えば、=POISSON.DIST(3, 5, FALSE) は、「1時間にちょうど3件の電話がかかってくる確率」を計算します。

POISSON.DIST/POISSON関数の注意点

  • xと平均は数値でなければなりません。
  • 平均は0より大きい数値でなければなりません。
  • xは0以上の整数でなければなりません。

古い関数POISSONについて

以前のバージョンのExcelでは、POISSONという関数が使用されていましたが、これは互換性のために残されているだけで、最新のExcelではPOISSON.DISTを使用することが推奨されています。POISSON関数はデフォルトで累積分布関数として動作するため、POISSON.DISTで同じ結果を得るには、関数形式TRUEを指定する必要があります。

まとめ

POISSON.DIST関数は、特定の期間に事象が発生する確率を計算する際に非常に役立つ関数です。品質管理、通信、保険など、様々な分野で活用できます。この関数を理解し、適切に活用することで、データ分析の幅を広げることができるでしょう。

この解説で、POISSON.DIST/POISSON関数について、より深く理解できたかと思います。この情報を活用し、Excelでのデータ分析をより効率的に行いましょう。

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